ゴミ屋敷の自力片付け【完全ガイド】プロが教える7つの手順と「限界」の見極め方

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「業者に頼む費用が心配…」「他人にこの部屋を見られるのは恥ずかしい…」

この記事をご覧になっているあなたは、もしかしたら、様々な理由から、ゴミ屋敷と化したお部屋をご自身で片付けようと決意されたのかもしれません。

もしそうだとしたら、その勇気と決意は、本当に素晴らしいものです。

しかし、自力での片付けは、時に精神力と体力を大きく消耗する長距離走のようなもの。無計画に始めてしまうと、途中で挫折してしまったり、思わぬ危険に遭遇してしまったりすることもあります。

この記事は、

  • 自力でしっかり片付けを終えられるよう、プロの視点からのアドバイスを書いています。
  • 自力での片付けは難しい「限界点」を正直にお伝えします。ここを超えたら、専門業者を頼ってください。

「ゴミ屋敷状態を何とかしよう」と思い立ったあなたの、その勇気と決断を、心から応援します。

この記事を参考に、ぜひ、片付けを成功させてください!

【判定基準】:あなたの状況は、本当に「自力」で片付け可能?

まず、ご自身の状況を客観的に判断することが、成功への第一歩です。

以下のチェックリストを使って、無謀な挑戦による挫折や危険を未然に防ぎましょう。

自力で片付けられる可能性が高いケース

  • そもそも、本当に自力で片付けができる方は業者探しをしないかもしれません。
  • ゴミの量が比較的少なく、床の一部が見えている。
  • 部屋の中を歩くための動線が確保されている。
  • 水道や電気が問題なく使用でき、安全が確保されている。
  • 深刻な腐敗臭や、害虫・カビの大量発生が見られない。
  • ケースバイケースですが、24時間敷地内にゴミを捨てられる環境にお住まいの方は、ご自身での解決がしやすいと経験上感じます。
  • ご自身で手間、労力、時間をかける覚悟がある。
  • 費用を抑えるために、本気でご自身でやり遂げようと思っている。

専門業者への依頼が必須となるケース

  • ただ悩んでいるだけで日々が過ぎていくなら、まずは一度業者に相談することが、次の一歩へ進むきっかけになるかもしれません。
  • ゴミが天井近くまで積み上がり、窓や扉を塞いでいる。
  • 明らかな腐敗臭、カビ、ネズミやゴキブリなどの害虫の痕跡がある。
  • 一人では動かせない重い家具や大型家電の処分が必要である。
  • 立ち退きや引っ越しなど、明確な期日が迫っている。
  • 起きてしまったことは元に戻せません。第三者の力を借りれば当然費用はかかりますが、それを理解した上で「心機一転、本気でやり直したい」と考えられる心理状態になっている。

もし「専門業者への依頼が必須となるケース」に一つでも当てはまる場合は、ご自身の安全と健康を最優先し、無理せずプロに相談することを強くお勧めします。

ゴミ屋敷状態の部屋の中で悩んでいる男性。小人サイズの作業員が連れ添っている

自力でゴミ屋敷を片付ける作業のために、準備するべきもの

自分で片付け可能な状況だ、と分かった方は、次に、安全かつ効率的に作業を進めるために、使用する道具を準備しましょう。

  • 服装
    • 長袖長ズボン:怪我防止のために着用します。
    • 厚手の作業用手袋:素手での作業は、汚れや怪我のリスクがあります。
    • マスク:防塵マスクが望ましいですが、一般的なマスクでも無いよりは良いでしょう。
    • 履物:お部屋の状況により、素足では危険な場合は必要です。
  • 清掃用品
    • 耐久性の高いゴミ袋:45Lと70Lなど、複数のサイズがあると便利です。
    • 段ボール箱または大きな袋:残したい物を分けておくのに便利です。
マスク、作業用手袋、ゴミ袋、ダンボール

実際にゴミ屋敷を片付ける作業、おすすめの6つの手順

準備が整ったら、いよいよ作業開始です。プロが実践している、誰でも実行可能な6つのステップに沿って進めましょう。

ステップ1:まずは小さな目標設定から!片付いた部屋をイメージしよう

まず「今週末までに玄関を片付ける」のように、具体的で達成可能な短期目標を設定します。そして、片付いた後のスッキリとした部屋で快適に過ごしている自分を想像してください。この「未来のイメージ」が、大変な作業を乗り越えるためのモチベーションになります。

ステップ2:玄関から手をつけて搬出路を確保

片付けは、必ず「玄関」から始め、部屋の内側に向かって進めてください。これにより、ゴミ袋を運び出すための搬出経路と、ご自身の安全な出入り口を確保できます。最初の目標は、まず人が一人通れる幅の動線を確保することです。

ステップ3:「捨てる」と「残す」を判断。迷う物は後回しでOK

用意した「残す」ための箱を使っていきます。この1〜2年、一度も使っていないなと感じる物は、状況によっては迷わず捨てる気持ちも必要になります。どうしても判断に迷う物があれば、一旦脇に避けておき、冷静になってから再度判断する時間を設けるのがコツです。

ステップ4:ゴミ袋はその都度外へ。作業スペースを常に確保する

分別したゴミ袋を室内に溜めておくと、作業スペースがどんどん狭くなり、作業も進まなくなってしまいます。ゴミ袋が一杯になったら、すぐに家の外の決められた場所(ゴミ捨て場や一時的に置ける場所など)へ運び出しましょう。事前に自治体のゴミ収集日や分別ルールをしっかり確認しておくことも非常に重要です。

ステップ5:一度にやろうとしない!エリアを限定して集中攻撃

部屋全体を一度に片付けようとすると、途方に暮れてしまいます。「今日はこの一角だけ」「この棚の上だけ」というように、範囲を限定して集中攻撃しましょう。大きな部屋の場合は、空間を4分割し、物量が最も少ないエリアから手をつけると、達成感を得やすく、次の日以降のやる気に繋がります。

ステップ6:リバウンド防止の鍵!全ての物に戻るべき「定位置」を決める

すべてのゴミや不用品を部屋から出し終えたら、最後の仕上げです。これがリバウンドを防ぐための最も重要なステップです。「残す」と判断した全ての物に対して、必ず定位置、つまり「物の配置」を決めてあげてください。「使ったら必ず定位置に戻す」を徹底することで、部屋は綺麗な状態を維持できます。

左右に分かれた画像、左半分は、片付け前のゴミ屋敷状態の部屋。食品のトレイや空き缶、お菓子のパッケージなどがコンビニ袋やごみ袋につめられて床にやまづみになっており、寝る場所もない。住人の若い男性が、部屋にすわって悩んでいる。
右半分は、片付けが完了した綺麗な部屋。ゆかには何も置いてなく、きれいに掃除されたフローリングの床が見えている。持ち物は戸棚などにきちんと整理されて、すべての引き出しが閉まり、すっきりしている。住人の若い男性が、部屋の中でうきうきしながらふきそうじをしている。

結論:「限界」を知ることは、弱さではなく賢さです

いかがでしたでしょうか。実際に自力で片付けに挑戦し、少しでもお部屋を綺麗にできた方、あなたの努力と行動は、本当に素晴らしいものです。

もし作業の途中で「一人では無理かもしれない」「想像以上に深刻だった」と感じても、めげないでください。

最後は私たち、専門家が控えています。ご相談いただければ、必ずなんとかしますので、ご相談ください。

専門家の助けが必要なサイン(害虫の発生、深刻な悪臭、大量のゴミなど)に気づき、助けを求めることは「失敗」ではありません。むしろ、問題を安全、迅速、かつ完全に解決するための「賢明な判断」なのです。

困っている人の隣で、作業服を着たゴミ屋敷片付けスタッフが優しく手を差し伸べているイラスト。手を差し伸べられた人は、作業服を着たゴミ屋敷片付けスタッフの方をみつめながら、差し伸べられた手を握り返している。
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