ご実家の片付けをめぐって、親御さんとの関係に深く悩んでいませんか。
安全に、快適に暮らしてほしい。
その一心で「片付けよう」と提案しても、「何も捨てるな!」「まだ使える!」と強く抵抗されたり、親子ゲンカに発展してしまったり…。
どうすれば、この問題を解決できるのだろう。
そう思い悩み、具体的な方法を探している方は本当に多くいらっしゃいます。
そうした「解決法」を探している方にこそ、まず初めに、私たち現場のプロフェッショナルとして一番にお伝えしたい、大切なことがあります。
この問題に「たった一つの正解」はない
私たちが日々現場で直面する現実は、残念ながら「この方法で万事解決する」というシンプルなものではありません。
私たちが一番にお伝えしたいこと、それは「この問題に、たった一つの絶対的な『正解』はない」という事実です。
なぜなら、ご家族の数だけ、事情も、歴史も、感情も違うからです。
親子関係、ご本人の価値観、ご家族が歩んできた道のり…そのすべてが「個人差」として関わってきます。あるご家庭でうまくいった方法が、あなたのご家庭では、むしろ事態をこじらせてしまうことさえあるのです。
この記事は「こうすれば必ず解決できる」という唯一無二のマニュアルではありません。
私たちが現場で見てきた様々な「現実」や「パターンの違い」をご紹介することで、あなたがご家族と向き合い、「私たちにとって、一番快適で、良い着地点はどこだろう?」と考えるための、ヒント集として書かれたものです。
まずは、なぜこの問題がこれほどまでに難しいのか。話がこじれてしまう背景にある「個人差」について、詳しくお話ししてみましょう。

なぜ、話がこじれるの? 問題は「10人10色」
この問題がこれほどまでに難しく、こじれてしまいがちな根本的な理由は、ご家庭の数だけ事情があり、その背景がまさに「10人10色」だからです。
私たちが現場で日々向き合っている現実に、画一的なパターンは存在しません。
例えば、私たちが現場で直面する、ご家庭ごとの「個人差」とは、以下のようなものです。
「物を大事にする」という価値観
特に戦争や戦後の苦しい時代を経験された方、またその親世代から「物を大事にしなさい」と厳しく教えられてきた方にとって、「捨てる」という行為は、単なる片付け以上の、ご自身の価値観を根底から否定されるに等しい「痛み」を伴う場合があります。
物が無かった時代、一つの物を修理して使い、最後は雑巾になるまで使い切ることが「美徳」であり「生きる知恵」でした。
その時代を生きてきた彼らにとって「まだ使えるかもしれない物」は、私たち子ども世代が思う「ゴミ」とは全く違います。私たちが「もう古いから」「壊れているから」という「機能」や「効率」で話をしても、ご本人は「まだ使えるか」「もったいないか」という「道徳」や「信念」で戦っています。
土俵が違うのです。これは単なる「執着」ではなく、その方がその時代を生きて来られた、「生き方」そのものである可能性があるのです。
高齢の方でも、「子に迷惑をかけたくない」と、物をためこまない方もいます
もちろん、ご高齢の方の全員が全員、物を溜め込むわけではありません。私たちがお会いするお客様の中には、「子どもたちに、将来迷惑をかけたくないから」と、ご自身の意思で不要なものを捨て、スッキリとした暮らしを意識されている方もいます。
実は「子」がブレーキになっているケース
これは非常にデリケートな問題ですが、現場では「子が親を大好きすぎる」あるいは「親との対立を極端に恐れる」ために、問題が膠着(こうちゃく)するケースも珍しくありません。
長年、親御さんの言うことをよく聞く「いい子」であった方ほど、この傾向が見られます。 親御さんの機嫌を損ねること、悲しませることが、自分にとっての「耐え難いストレス」になってしまうのです。 そのため、片付けという「問題の解決」よりも、「親との円満な関係の維持」を無意識に最優先してしまいます。
親御さんが少しでも嫌な顔をしたり、「このままでいい」と言ったりすると、それ以上踏み込めなくなる。
「親がそう言うなら仕方ない」と、自分自身を納得させてしまうのです。
ご本人の優しさや親を想う深い愛情が、皮肉にも、安全で衛生的な環境を取り戻すための行動を「先送り」させるブレーキになってしまう。これもまた、私たちがよく目にするご家族の姿です。
「親」のプライドが壁になるケース
「子どもに指図されたくない」というプライドや、自分の衰えを認めたくないという気持ちが、頑なな抵抗になっている場合も多くあります。
ご両親が長年、社会的な責任を負ってきた方や、家事育児を「完璧に」こなすことを自負されてきた方であるほど、この傾向は強まるかもしれません。
「子どもに指図されたくない」という抵抗感は、単なる意地やワガママではありません。 何十年もの間、「教え、導く側」「守る側」であったご自身が、わが子から「やり方が間違っている」「だらしがない」と、まるで自分の管理能力や人生そのものを否定されたかのように感じてしまうのです。これは、ご本人の尊厳(プライド)を深く傷つけます。
また、片付けができないという現実は、「自分の衰え」を本人に直視させる、非常に残酷な鏡でもあります。 「体力や判断力が衰えたのかもしれない」という不安。 「これしきのこと」ができない自分を認めたくないという焦り。 「このままでは、子どもに迷惑をかけてしまう」という罪悪感。
こうした複雑な感情が絡み合い、「まだ自分一人でできる」という最後の砦(とりで)を守るために、かえって頑なになってしまうのです。お子さんが「心配している」ことは頭でわかっていても、素直に「助けて」と言えない。これが、現場で私たちが直面する、ごく自然な心の動きです。
このように、問題の背景は「個人差」が非常に大きいのです。よそのうちと比べたり、お手本のような解決を求めることよりも、ご自身の実家に実際にどんな壁や問題があるのか、を見極めることが、最初の一歩になります。

あなたの「ゴール」はどこですか?
「片付け」と聞くと、私たちはつい「ごみが全くない、モデルルームのようなスッキリした部屋」をゴールにしがちです。
しかし、本当にご家族の「快適」ではない場合があります。「何をゴールにするのか」そこからまず考えてみることはとても大切です。
「安全に住める」をゴールにしてみる
「火事や地震が心配」「転倒が怖い」。これは、ご家族が抱く不安の中で最も切実なものです。
その不安を取り除くためには、完璧な整理整頓を目指す必要はありません。
山積みになった新聞紙や衣類は、小さな火事を一瞬で大火災に変える燃料となり、避難経路を塞ぎます。また、床に散らかった物につまずいて転倒し、骨折から寝たきりになってしまうケースは、私たちが思う以上に多いのです。
「寝室から玄関までの避難経路を確保する」「キッチンのコンロ周りに燃えやすいものを置かない」「床の物をなくす」。「片付け」というよりも、「命を守る作業」ですが、これだけで不安が解消する場合もあるのです。
「親が健康に暮らせる」をゴールにしてみる
「キッチンが不衛生」「お風呂場がカビだらけ」。これは、ご本人の「健康」に直結する深刻な問題です。 この場合のゴールは、「最低限の衛生的(文化的)な生活」を確保することです。
賞味期限切れの食品が放置された冷蔵庫や、害虫・害獣のエサとなる食べ残しは、食中毒の直接的な原因となります。また、ホコリやカビ(ハウスダスト)は、アレルギーや喘息など呼吸器系の疾患を引き起こすこともあります。
まずは「安全な食事ができるキッチン」と「清潔な体と衣服を保てる水回り」を取り戻すこと。これだけでも、ご本人の心身の健康は大きく改善されます。
「親子の対話」「理解しあえるようになる」をゴールにしてみる
もしかしたら、本当に解決したいのは「親が何を考えているかわからない」という不安や、「実家のことで悩みたくない」というあなた自身のストレスかもしれません。
多くの場合、「物が散らかった部屋」は、親御さんの孤独感や、ご家族とのコミュニケーション不足の「目に見えるサイン」として現れます。
この場合、もちろん「部屋をきれいにする作業」をするとはいえ、ゴールは「片付けをきっかけ(道具)として、対話を再開すること」になる場合があります。
「この箱だけ一緒に見ない?」と声をかけ、「これは何?」と尋ねる。「ああ、これはね…」と親御さんが思い出を語り始める。そのプロセス自体が、すでに「対話」であり「相互理解」となって、親子関係をよくしてくれる場合があるのです。
その場合は、たとえ片付けが少ししか進まなくても、「親の気持ちに触れられた」「子が心配して来てくれた」と感じることだけで、互いのストレスが大きく解消されることがあります。
「何がその人(家族)にとって一番快適であり、いいことにつながるか」。
親であっても、子であっても、まずこの「ゴールのすり合わせ」を考えていただく必要があります。

いつ、誰がやるか。タイミングも十人十色
この問題は、解決の「時期」や「担い手」も様々です。
ご家族だけで解決できるのが一番
もし、親子で、あるいはご兄弟で話し合い、お互いが納得できる形で少しずつ整理を進められるのであれば、それがもちろん一番です。
業者を頼むことが正解とは限りません。業者には立ち入れないご事情やお気持ちもあると思います。「どうするのがいちばんいいのか」、それを親子でじっくり話し合って解決できるなら、それに越したことはありません。
第三者の「目」がきっかけになる
ご家族だけでは膠着状態だったものが、外部の「目」によって急展開することがあります。訪問に来るヘルパーさんや、担当のケアマネジャーさん、あるいはかかりつけ医のような、感情的なしがらみのない「第三者」が入ることで、空気が変わることがあります。
彼らは介護や医療のプロとして、「この環境はご本人の健康上、あるいは安全上、看過できません」と専門的な指摘をすることもあります。ご家族からの「危ないよ」という言葉は「口うるさい小言」として感情的に反発されても、プロからの「客観的な指摘」は、ご本人のプライドを保ったまま素直に聞き入れやすいものです。
また、時には専門的な指摘でなくても、家族ではない他人からの素朴な一言、「あら、ここ、ちょっと危なくて通りにくいですね」など、それが、ご本人の心を動かすこともあります。
実際にそのようなきっかけで、最終的に我々のような業者にたどり着かれた、というケースも非常に多いです。
専門業者に依頼すると良いケース
親子ともに片付けたいというお気持ちはあっても、たまったごみの量に圧倒されてどうにもならない場合もあります。
また、害虫やカビ、悪臭がひどい現場、重い家具が山積みになった現場は、ご家族が自力で行うには健康被害や怪我のリスクが高すぎます。
そんなときは、どうぞ私たち業者にご依頼ください。私たち専門業者は「専門的な技術」と「リソース(人員・機材)」を持っています。ご家族が週末だけを使って何年も悩み続けてきた問題を、プロが数日(あるいは1日)で集中的に終わらせることができます。
まあ言ってしまえば「お金で解決する」ということになってしまうのですが、それでお気持ちが軽くなり、健康で安全に過ごせるのであれば、それも大変意義のある選択だと思います。
「今は見守る」という選択
これは非常に辛い現実かもしれませんが、現状を受け入れて「見守る」しかないケースも存在します。 それもそれで、ご家族のひとつの選択として大切なことだと思います。
一部のご家族は、「部屋は汚れたままでも、最期まで親子として穏やかな関係を保つこと」を優先し、あえて「見守る」という選択をされます。 そして、ご本人が施設に入られた後や、最悪の場合、亡くなられた後に、ご家族が「遺品整理」や「原状回復」として、初めて私たちにご依頼されます。
これは問題を先送りしているのではなく、「関係性」を最優先した結果としての、ご家族の苦渋の決断であり、それもまた一つの現実です。

私たち業者に、お手伝いできること
ここまで様々な選択肢をご紹介してきました。
その上で、もし「専門業者に頼る」ことが、今のご家族にとって最善の道かもしれないと感じていらっしゃったら。
私たち「お悩みサポート24」は、そのご決断を全力でサポートするプロフェッショナルです。 ご家族だけでは抱えきれなくなった重荷を、専門的な技術とリソースで、迅速かつ安全に解決します。
まずは「こんな状況なんだけど…」と、あなたの胸の内をお聞かせいただくだけでも結構です。ご予算が限られている場合も、状況に合わせたお見積もりをご提案させていただきます。
どうぞお気軽にご相談ください。







